人間関係リセット症候群という言葉をご存知でしょうか?2016年前後からどこからともなく使われ始めたこの言葉ですが、精神面における現代病の一つと言われています。同じ精神面の現代病の中には、日曜日の夕方に翌日の出社が憂鬱になる「サザエさん症候群」や、深い人間関係を築くことを苦手とする「触れ合い恐怖症候群」などがあります。
今回は、そんな現代病の仲間である「人間関係リセット症候群」が病気なのか否か、その原因や特徴に踏み込んでご紹介していきます。
人間関係リセット症候群という言葉をご存知でしょうか?2016年前後からどこからともなく使われ始めたこの言葉ですが、精神面における現代病の一つと言われています。同じ精神面の現代病の中には、日曜日の夕方に翌日の出社が憂鬱になる「サザエさん症候群」や、深い人間関係を築くことを苦手とする「触れ合い恐怖症候群」などがあります。
今回は、そんな現代病の仲間である「人間関係リセット症候群」が病気なのか否か、その原因や特徴に踏み込んでご紹介していきます。
人間関係リセット症候群とは、名前からも想像がつく通り「とあるきっかけを境に人間関係をバッサリ切ってしまう」というものです。ですが人間関係リセット症候群は、現代人が人間関係をリセットしてしまう癖を表した言葉であり、正式には病気ではありません。これから人間関係リセット症候群の原因や特徴をご紹介しますが、「そのような傾向のある人が病気である」ということではないことをここで先に念押ししておきます。
そんな人間関係リセット症候群の症状だと言われている行動には、以下のものがあります。
このように、今までの人間関係を突然断ち切ってしまうことを人間関係リセット症候群と呼びます。では、人間関係をリセットしてしまう原因となるのは、どのようなものがあるのでしょうか?人間関係をリセットする代表的な4つの原因をご紹介していきます。
人間関係をリセットする原因の一つには、周りからの期待に応えようとするあまりに自分を追い込み過ぎてしまい、精神的もしくは身体的なストレスを過度にため込んでしまうというものがあります。そして、ストレスの量が限界を超えたタイミングで突然連絡が途絶えるということがあるようです。完璧主義の人や頼まれたら断れないという人が、このタイプの人間関係リセット症候群に陥りやすいと言われています。
上司と部下、管理側と現場、先輩と後輩など、職場の人間関係において板挟みになることがあります。このようなどっちにも付きがたい立場で、どちらにも気を遣わなければならない状態に長くいると、精神的な疲労が蓄積していきます。そして、精神的な疲労に耐えかねた結果、突然音信不通になるということがあるようです。このタイプの人間関係リセット症候群は、相手に気を遣うあまりにはっきりと意見できず、八方美人になってしまう人に多いと言われています。
職場での上司や同期に嫌われているのではないか、避けられているのではないかという思いから不安と恐怖を感じ、その不安と恐怖から逃げるために人間関係をリセットする人も多いと言われています。このような原因から人間関係をリセットをする人には、相手に避けられるのが怖くて自分から避けてしまう「回避依存症」や、相手を不快にさせてしまうのが不安になり人を避けてしまう「対人恐怖症」を持つ人はこのタイプの人間関係リセット症候群になりやすいそうです。
「仕事に支障を及ぼさない程度に人間関係を築く」、もしくは「一生の付き合いをするつもりはないが、一人ではさびしいためその場限りの人間関係を築く」、といった人は表面的な人間関係が多く、本人も価値を感じていないため、転職や転勤を境に人間関係をリセットする人が多いようです。人間関係を築くことをあくまで手段ととらえており、状況や環境が変わって必要がなくなると、音信不通になる、SNSでのつながりを一斉に切るなどの方法で人間関係をリセットします。
このように、人間関係をリセットする原因にもいくつかの種類があり、人によって異なります。しかし、人間関係リセット症候群を発症する人の多くは、以下のような思考の特徴を持っていると言われています。人間関係リセット症候群への理解を深めるために、思考の特徴について一つずつ解説していきます。
完璧主義は、「自意識過剰で周りからの評価を気にする」「過度に高い目標を設定する」「万全な準備のために自分を追い込む」「限られた時間の中で完璧を目指す」といった特徴を持つ人のことを指します。周りからの評価を気にするあまりに、周りからの期待にも完璧にこたえようとする完璧主義者は、精神的・身体的な異常をきたすまで自分を追い込んでしまうことがあるそうです。また、人間関係においても完璧を求める傾向があり、周りからの評価が自分の理想像とあまりに乖離していると、人間関係をリセットしようとするようです。何かを習得するときに「完璧にできるようになるまでは人に見せない」といった思考傾向がある人は、完璧主義的な思考を持っているかもしれません。
自分を出せない人と言うのは、「他人からどう見られるかを気にしすぎる」「上下関係を気にしすぎる」「本当の自分を否定されるのが怖い」といった思考傾向があるようです。自分を出せない人は、表面上の付き合いで関係がストップしてしまいやすく、うまく伝えられないことから自然とストレスも溜まりやすいと言われています。
人間関係を手段として捉えている人は、孤独を苦とせず、集団で行動するよりも一人で行動することを好む人に多いと言われています。一人のほうが好きではいるものの、集団生活を円滑に進めるために最低限の人間関係は築きます。ですが、あくまでも集団生活を円滑に進めるためであるため、何かの機に属する集団が変わると以前の集団で築いた人間関係は不要になり、人間関係をリセットします。
どんな人でもストレスを感じることがありますが、以下のような性格の人はストレスを自分の中に溜め込みやすい傾向があります。
あまりにストレスが大きくなり疲れてしまうと、突然音信不通になるといったことがあります。
ひとり行動が好きという人の多くは、自分が思ったようにマイペースに物事を進めたいという欲求があります。したがって、他人と行動する時間が増えれば増えるほど、自分の時間を求める傾向が強くなります。次第に人間関係が面倒に感じるようになると、人間関係をリセットしたいと思うようになります。
気兼ねなく相談ができる相手がいなかったり、一緒にいて楽しいと思える相手がいなかったりする場合には、人間関係は表面的な付き合いに留まっています。したがって、仕事や環境が変わって付き合う必要がなくなれば人間関係はリセットされます。
生活習慣は私たちの心身の健康に大きな影響を及ぼします。生活習慣の乱れは以下のようなものが該当します。
このように生活習慣が乱れてくると体内に疲労が蓄積され、気分が晴れない日が続きますのでネガティブな思考に陥りやすくなります。そうすると人間関係も億劫になり、リセットしたいという気持ちが生まれやすくなります。
人間関係をリセットすることで状況が良くなることもありますので、必ずしも悪いことではありません。しかし、その対象者自身が人間関係を良好に保っていきたいと考えているにも関わらず、人間関係を定期的にリセットしたくなるのであれば、改善していった方がよいでしょう。周囲にそのような人がいれば、以下のような改善策をアドバイスすることをおススメします。
人間関係リセット症候群の原因の一つに挙げた「生活習慣の乱れ」は、想像以上に心身の疲労を招きます。疲労が改善するだけでも、気持ちがすっきりして心に余裕が生まれます。疲労を改善するために重要なのが質の高い睡眠です。寝具を清潔に整えたり、毎日決まった時間にベッドに入るようにしたりするようにしましょう。また、仕事であまり体を動かさない人は、適度な運動も気分をリフレッシュさせることができます。
人間関係リセット症候群の原因の一つに「相談できる相手がいない」というものがありましたが、そのように気の置けない人間関係の中で生きていればリセットしたくなる気持ちも生まれてしまいます。信頼できる相手というのはそう簡単に作れるものではありませんが、まずは気が合うと感じる人がいたらお互いを知ることからスタートして、徐々に悩み事も話せる関係性を築いていきましょう。いつも親身に話を聞いてくれる人がいれば、簡単に人間関係をリセットしたくなる衝動も抑えられるはずです。
人間関係をリセットしたいと思った時には、衝動的な気持ちが勝っていますので、一旦その時の感情や悩んでいることを紙に全て書き出してみるとよいです。誰かに見せる必要はないので、思いついたことをそのまま素直に書き出してみることで、思考が整理され冷静な判断ができるようになります。その上で本当に人間関係をリセットする必要があるのかどうかを決めましょう。
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組織づくりにおいては、職場での良好な人間関係を築くこと、円滑なコミュニケーションを取ることが大きなポイントとなっています。そして、これらの改善にあたっては、信頼感や思ったことを何でも言える雰囲気などが重要とされています。こういった流れの中では「職場で深い関係を築くこと」が正解だというイメージを持ちやすいようです。ですが、人間関係リセット症候群によって人間関係をリセットする人にも、理想である近しい人間関係を築けないことが原因の人もいれば、そもそも人間関係は最低限あればいいと考える人もいます。すべての社員が働きやすい環境を作るためには、ただただ距離の近い関係を目指すのではなく、それぞれが自分に合った適切な距離感を保てる仕組みを目指す必要がありそうです。
NVCとは、「Non-Violent Communication」の略であり、日本語訳では「非暴力コミュニケーション」と言います。このNVCは、アメリカの心理学者であるマーシャル・B・ローゼンバーグが提唱したコミュニケーション手法であり、世界各地の紛争の和解・親子や夫婦の対話・学校・職場・医療・カウンセリングなど、社会や人間関係において思いやりと実りのある対話を実現します。NVCの方法を紹介したこの書籍は、30以上の言語に翻訳され、全世界で60カ国以上、100万以上の人たちに読まれています。世界中で注目され、導入されている理由の一つとして、NVCがとてもシンプルで実践しやすい点が上げられます。実践で意識する要素はたった4つであり、4つの要素を意識することで共感しながらも自分の意見を適切に伝えることができるようになります。これから、もっと実りのある人間関係を築いていきたいと考える方にオススメの一冊です。よければ参考にしてみてください。
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