働きがいとは、「働きやすさ」と「やりがい」を足し合わせたものと言われており、「働きがいがある」とは、自分の意思で仕事に前向きに取り組める状態を表す言葉です。
法案の施行に伴う「働き方改革」の推進や、人口減少に伴う労働力不足の影響を背景として、昨今では多くの企業が離職率の低下や生産性の向上に取り組んでいます。今回は、そんな離職率の低下と生産性の向上と深い関連を持つ「働きがい」について、働き方改革との違いや実際の高め方をご紹介します。
働きがいとは、「働きやすさ」と「やりがい」を足し合わせたものと言われており、「働きがいがある」とは、自分の意思で仕事に前向きに取り組める状態を表す言葉です。
法案の施行に伴う「働き方改革」の推進や、人口減少に伴う労働力不足の影響を背景として、昨今では多くの企業が離職率の低下や生産性の向上に取り組んでいます。今回は、そんな離職率の低下と生産性の向上と深い関連を持つ「働きがい」について、働き方改革との違いや実際の高め方をご紹介します。
「働きがいのある職場」「働きがいのある企業」という言葉をよく耳にしますが、「働きがい」とはどういった意味の言葉なのでしょうか。そこで、まずはじめに「働きがい」という概念について説明していきます。
「働きがいがある」とは、自分の意思で仕事に前向きに取り組める状態のことであり、「働きやすさ」と「やりがい」を足し合わせたものと言われています。働きがいは、社員の離職率や組織の生産性に大きく関わっていると考えられています。
「働きやすさ」とは、快適に働き続けるための就労条件や報酬条件などを指します。例えば、ライフワークバランスを実現できる環境であることや、適切な労働時間で働ける環境であることなどが当てはまります。また、給与の高さなどだけでなく、人間関係などもここに含まれます。「働きやすい」を高まることで、社員の定着率が向上すると言われています。
「やりがい」とは、仕事に対するやる気やモチベーションなどを指します。例えば、仕事を通じた誇りや成長実感、自己重要感、承認、達成など、「働きやすさ」と比較して形として見えにくいのが特徴です。やりがいを感じる社員が増えることで、モチベーションや活動量が高まると言われています。
働きがいという言葉の概念は分かりましたが、なぜ働き方改革を進めていく上で働きがいが重要なのでしょうか。
それは、働きがいを向上させることが組織の生産性と業績の向上に繋がるからです。
下の2つの図では、働きがい(働きやすさ+やりがい)と企業の成長の関係性を調査したものです。働きがいを働きやすさとやりがいに分解し、4つの職場タイプごとに業績にどのような変化が起こるかをまとめたものです。業績順に並べると、A「働きやすく、やりがいもある」→B「働きやすさはないが、やりがいがある」→C「働きやすいが、やりがいがない」・D「働きやすくもなく、やりがいもない」(この2つにあまり差はありませんでした)という結果になりました。
働きがいのセグメントと業績関係
職場タイプごとの前年比売上げ伸び率
<GPTWより引用>
この調査から分かるのは、「働きがいのある企業」はそうでない企業に比べて、売上げの対前年伸び率が高いということです。つまり、働きがいが高いということは、業績向上に関係があると言えます。この結果が、働き方改革の目的を達成するために、働きがいを向上させていくことが効果的な手段である理由です。
働きがいを向上させることで、企業の業績や生産性が向上すると話しましたが、働きがいを向上させていくためには、具体的に何をすればよいのでしょうか。
このことを考えていく上で参考になるのが、2大要因理論です。これはアメリカの臨床心理学者、フレデリック・ハーズバーグが提唱した職務満足及び職務不満足を引き起こす要因に関する理論のことです。職場での満足を作りやすい要因を「動機付け要因」と呼び、職場での不満足を作りやすい要因を「衛生要因」と呼びます。これらはどちらかが上がるとどちらかが下がるのではなく、全く別のものとして作用するものだと考えられています。
例えば、不満足を引き起こす衛生要因を取り除いた場合、不満足は無くなりますが満足に必ず繋がるわけではありません。逆も同様で、満足を生み出す動機付け要因が欠けていたとしても、それが必ずしも不満足を引き起こすわけではありません。この概念を上記で説明してきた「働きやすさ」と「やりがい」に照らし合わせると、「働きやすさ」は衛生要因、「やりがい」は動機付け要因と関連性が深いと考えられています。つまり、衛生要因を取り除き、動機付け要因を創り出すことで、「働きがい」を高めていくことができるでしょう。
では、「衛星要因」と「動機づけ要因」を改善していくためのアプローチをご紹介していきます。
衛生要因に入る要素として、「会社の政策と管理方式」「上司の監督」「給与」「職場での人間関係」「労働条件・作業環境」などが挙げられます。これらを整えることによって、従業員にとって「働きやすい」環境を作り出すことができます。これらへのアプローチとして、例えば以下のような施策が挙げられます。
アチーブメントHRソリューションズのチームビルディング研修は、達成するチーム作りとメンバー同士の高い信頼関係の醸成を行います。良いチームが形成する方法を理論から学ぶため、現場でのチームビルディングでも高い再現性を発揮します。「社内のコミュニケーションを増やし、組織を活性化させたい」「チームの連携を円滑にし、生産性を上げたい」そんな課題をお持ちの課題におすすめの研修です。
動機付け要因に入る要素として、「仕事に対する達成感」「周囲からの承認」「仕事そのものに対する興味」「与えられた責任と権限」「昇進」「成長」などが挙げられます。これらが醸成されるような環境や機会を与えることで、社員が「やりがい」を感じられる環境を作り出せることができます。動機づけ要因へのアプローチとしては、以下のようなことに施策が挙げられます。
アチーブメントHRソリューションズのキャリアマネジメント研修は、社員のキャリアアップを促進することで社員の主体性やモチベーションを引き出し、組織の活性化を実現します。研修プログラムでは、自己の強みと理想のキャリアを明確化した上で、設定したキャリアの目標を実現していくために必要となる『計画力』や『実行力』を向上させます。「キャリアパスが曖昧で社員のやる気を損ねている」「社員の主体性に物足りなさを感じる」といった課題を持つ企業様におすすめのプログラムです。
では最後に、実際に働きがいを向上させていくための施策についてご紹介いたします。
マーケティング支援企業のMeltwaterは、インターネット上のメディアを通じて、多くの企業のマーケティング活動を支援しています。そんなMeltwaterの日本法人であるMeltwater Japanは、社員から「会社に行くのが楽しみ」という言葉が出るほどの高い働きがいを作り上げています。同社の働きがいを作り上げている要素はたくさんありますが、その中でも「Valueに基づく企業文化醸成」「マネージャーとの信頼関係」の2つは、同社の働きがいを高めている特筆すべき要素と言えます。
同社では、組織づくりが始まった当初から、自社のValueへの共感度にこだわって採用を行っているそうです。MeltwaterのValueである「MER」とは、ノルウェー語で「より多くの」「さらに上の」という意味を持っており、「Moro(楽しむ):新しいことや、知らないことに挑戦することを楽しむ」「Enere(一番):期待を超える成果を出すために継続的に努力する」「Respekt(敬う):従業員や顧客、提供するソリューションを尊重し、謙虚さを示す」という3つのノルウェー語の頭文字から構成されています。この「MER」への共感が強い人を優先的に採用することで、企業理念の浸透を促進しています。また、入社後は「feel safe & loved」と名付けられた研修が行われ、社員ひとりひとりの心理的安全性を高めていきます。「失敗しても居場所がなくならない」という安心感が社員の挑戦を促し、理念が体現されやすい環境を整えています。
同社では、週1回、上司と部下の間で1on1を行っています。そこでは、仕事に関する話題だけでなく、学生時代の話や将来の夢についての雑談が行われると言います。そういった何気ない会話を通して、上司と部下の関係が深まり、働き方にも影響を与えているようです。部下がどんなところに動機づけられているのかを上司がしっかりと理解していることで、多くの社員が「会社に行くのが楽しみ」と答えられるような働きやすさを実現しています。
(参考:Grate Place To Work)
100年以上の歴史を持ち、業界の中でも群を抜くホスピタリティで有名なザ・リッツ・カールトン・ホテル。同社は、「真の気遣いや素晴らしい製品、サービスをお届けすることで、確固たる利益に貢献します」という使命と、「ザ・リッツ・カールトンは、人生で最も有意義な旅をインスピレーションに満ちたものにします」というビジョンを掲げ、ホスピタリティ業界を代表する高品質なサービスを提供しています。そんなリッツ・カールトンでは、掲げた使命とビジョンを全うするために、社員一人ひとりに2000ドルの決裁権が与えられています。
この施策は、「これができればもっとお客様に良いサービスを提供できるのに」というアイデアが浮かんだ時に、決裁権の無さがブレーキにならないようにと始められたものだと言われています。ですが、この多額な決裁権が社員にもたらしたのは、アイデアを実現するための資源だけではなく、「期待されているんだ」という社員の自己重要感を高め、「期待に応えなければ」というほど良い緊張感と責任感を与えたといいます。
こうした施策を通して、リッツカールトンは働きがいのある職場環境を作り上げています。その成果として、転職が盛んなホスピタリティ業界において、高水準な定着率を維持しているといいます。
1億総活躍社会の実現に向けた挑戦として、日本の労働環境を大幅に見直す取り組みを働き方改革と言います。様々な側面から、働く意欲のある人が無理なく働けるようになることで、労働力の確保や生産性の向上を目指しています。働きがいとは、働きやすさとやりがいから構成され、その2つが揃ったとき、働き方改革の目的を達成する上でとても効果的な手段となります。つまり働き方改革を進めて行く中で、働きがいに取り組む事はとても重要であり、企業にとってもそこで働く従業員にとってもより良い状態を作り出すために効果的な手段です。
そのマインドセットへのアプローチ、間違っていませんか? アチーブメントHRソリューションズでは、人の行動の根源である「マインドセット」に着目し、個人の「内発的な動機付け」に基づくアプローチによって、人財育成や組織開発を成功に導きます。
正しく研修に取り入れた企業様では「社員の離職率が30%減った」「売上が昨年対比160%を実現した」といった成果を生み出し、進化を続けています。 専門コンサルタントがプロの視点であなたの問題を解決する道筋を示しますので、真に価値のある教育施策を共に考えていきませんか?