プレゼンテーションは、商品購入の促進やビジネスにおける課題の改善策の提案など、それぞれに具体的な目的が設定されています。 取り扱う内容を相手に分かりやすく説明することで、聞き手の心や行動などを変化させる効果が期待できます。 聞き手が知りたいと思っている情報を盛り込んで伝えると、興味を持って聞いてもらえるでしょう。 また、アクションをとってもらうために、その行動によって得られるメリットをわかりやすく提示することも大切です。
プレゼンテーションの資料作りに手間取ってしまい時間がかかるという人は多いでしょう。ここでは、資料作成のコツをご紹介します。
プレゼンテーションの構成は、起承転結を意識して構築することが重要です。起承転結に沿うために有効な手法を2つご紹介します。
①PREP法:「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(事例)」「Point(結論)」の要素で流れを作成する
②SDS法:「Summary(要約)」、「Detail(詳細)」、「Summary(要約)」の流れで構成する
長いプレゼンテーションで相手にしっかり話を伝えたいときは、イントロダクション、ボディ、クロージングの3パートでプレゼンの大枠を組み立て、本論となるボディに上記の方法を取り入れるのもおすすめです。
文字の大きさや色の使い方も資料作成の段階で配慮すべき点です。文字が細かすぎると、読むのに一苦労で内容が印象に残りにくくなります。また、多色スライドはどこを見ればよいかわかりにくくなってしまいます。スライドはなるべくシンプルに、強調したい部分が目立つように色を使いすぎないことが大切です。
1枚のスライドの中に情報を詰め込みすぎると、伝えたい情報が印象に残りにくくなります。1枚のスライドにつきメッセージを1つに絞ると、聞く人に要点が伝わりやすくなるでしょう。
プレゼンテーションでは、発表の仕方にもポイントがあります。ここでは、うまくプレゼンテーションを行うコツをご紹介します。
初対面やあまり知らない人に対してプレゼンテーションを行う場合は、冒頭で自己紹介をするとアイスブレイクにもなって和やかな雰囲気を作り出せます。フルネームやプロフィール、聞き手と自分の共通点などを入れて自己紹介をすると、親近感を抱いてもらえるでしょう。
固い雰囲気の中でプレゼンテーションが始まると、プレゼンターの緊張も高まって内容が伝わりにくいです。参加者に合わせてカスタマイズした自己紹介からスタートすると、相手に好感をもってもらえるでしょう。
専門家の集まりでプレゼンテーションをする場合は専門用語を使うと内容が伝わりやすいこともありますが、一般的にはなるべくわかりやすい言葉で解説するほうが多くの人に内容が伝わりやすくなります。専門用語を使いすぎて内容が複雑になっていないか、必ずチェックしてからプレゼンテーションを行いましょう。聞き手の反応を見ながら言葉を選ぶのもおすすめです。
プレゼンテーションの中には、聞き手を説得したり共感を得たりするために客観的なデータの提示などで数字や事例を用いることが重要です。聞き手の心に残るプレゼンテーションにするためには、なるべく具体的な話を盛り込んで説明するのがおすすめです。
事例や理論に加えて、自らの体験談を話すとその場を盛り上げられます。事例は他人事に聞こえてしまうことが多く、なかなか実感がわかない場合もあるでしょう。そこで、目の前のプレゼンターが自らの経験を話すと、聞き手が興味をもってくれます。
プレゼンテーションを聞いている人が「何を話すのか」がわかるように、結論から話し始めると効果的です。しかし、実際には結論から話す習慣がなく難しい場合もあるでしょう。その場合は、始めに目次としてプレゼンテーションのアウトラインを示すだけでも効果的です。
「本日お話したいのは、まさに〇〇についてです」や「本日は、〇〇をお伝えするために、〇〇という順番でお話いたします」というように、冒頭にワンクッション入れるだけでも印象が変わります。
一般的に、1スライドに3分くらいを使って話すのが適切と考えられています。また、「10/20/30」の法則を頭に入れておくと便利です。10枚のスライドに20分をかけ、文字の大きさは30ポイント以上でまとめるのが、参加者を飽きさせないプレゼンテーションの理想です。
プレゼンテーションでは聞き手の中に常に反対意見をもつ人がいるため、意見を述べるときには、強い言い回しを避けるようにするなどの注意が必要です。商談やアンケート結果に影響することもあります。「これは1つの見方ですが」や「賛否両論があるのですが」といった前置きを入れるだけで、聞き手に与える印象が変わるでしょう。
参加型のプレゼンテーションで聞き手に飽きずに聞いてもらうために、質問を投げかけるというテクニックがあります。プレゼンターが話すだけでなく聞き手に話す機会を与えることで、聞き手は考える時間をとれます。聞き手が集中力を維持するのは容易なことではありません。参加型のプレゼンテーションを意識することで、聞き手の記憶に残りやすくなるでしょう。
続いてプレゼンテーションでは、話している間のパフォーマンスも大切です。ここでは、プレゼンテーションを行う際の話し方のポイントを確認しましょう。
プレゼンテーションになると緊張で普段より早口になる人がいますが、はっきりと聞き取りやすい声でゆっくり話し、内容をわかりやすく伝えることが重要です。深呼吸をして、はっきりとした発音、適切な声の大きさで話すように心がけましょう。練習時にスマホで自分の姿を録画して確認するのもおすすめです。
プレゼンターは、賢く間を取りながらリズムをつけて話すと効果的です。例えば、重要なポイントの前後には少しだけ間を入れると、その部分が際立ちます。多くの情報を伝えたくなってしまいますが、重要なものにハイライトが当たるように間隔をうまく活用しましょう。ただし、間が長すぎると、聞き手が私語を話し始めることがあるのでその場の空気を読みながら進行しなければいけません。
プレゼンテーション中に適度なジェスチャーを取り入れると、聞き手の聴覚だけでなく視覚にも訴えられるでしょう。抑揚がつき内容を理解しやすくなる効果があります。ただし、やりすぎてしまうとわざとらしくなったり、内容に集中できなくなったりしてしまうので注意が必要です。
話し手の気持ちや情熱は聞き手に伝わります。やる気がなかったり自信がなかったりすると、聞いている人にもすぐにわかってしまうでしょう。自分の気持ちを伝えることを意識してプレゼンテーションを進めると効果的です。ただし、独りよがりなプレゼンテーションにならないように、周りの雰囲気にも合わせる必要があります。
プレゼンテーションの最後には、質疑応答のコーナーを設けます。あらかじめ想定される質問の回答を用意しておくと、慌てずにわかりやすく回答できるでしょう。また、質問をもらったら一度復唱して回答を整理することで、周囲にも伝わりやすくなります。 想定外の難しい質問には無理して答えず、一旦持ち帰って後日コンタクトを取るという手もあります。聞き手の主張を否定せずに、受け入れたり理解を示したりすることも大切です。また、どうしても質問が出ないときは、よくある質問を例として紹介するというテクニックを使ってみましょう。
プレゼンテーションは、資料作りから当日の話し方、質疑応答までさまざまなコツがあります。聞き手が飽きずに楽しんで話を聞いてくれるように、見やすく聞きやすいプレゼンテーションを行うことが重要です。今回ご紹介したコツが組織のプレゼンテーション力向上に役立てば幸いです。