学習は、学校を卒業すると同時に終わるものでしょうか?インドのIT業界で第二位の規模を持つウィプロ社のバイスプレジデントのAnurag Seth氏がATD2018で語った「破壊的な時代の学習」のセッションの様子をレポートさせて頂きます。テクノロジーが劇的に変化する中で、感じ続けてきたもの、こんな時代だからこそ私達がいますべきことについて、Anurag Seth氏が語ります。
学習し続ける姿勢こそが激動の時代に必要だ
革新的な技術変化の時代
1400年代に印刷機が誕生し、その後200年経って1600年代にテレスコープが誕生しました。そこから少しずつ技術的なイノベーションを続けてきた我々人類でしたが、この数十年にかけては爆発的な技術確信が続いています。消費傾向も顧客体験も変わっています。
「これが何を意味しているかというと、私たちは変化しなければいけないということです」とAnurag Seth氏は語ります。クライアントの期待する世界を創っていくために、私たちは過去のものを踏襲するだけではなく、私たち自身がパラダイムを変えていく必要があるということです。
では、私たちには今、どんな変化が求められているのでしょうか。
新しい時代の私たちに求められるものは何か
組織の労働力において下記のような対策が必要であると、Anurag Seth氏は語ります。
- デジタルスキルに対応できる準備をする
- いつでも、どこでも、どんなデバイスでも学習を可能にする
- 全世界にアクセスできるようにする
そして、今起こっている世の中の革新的な技術として、下記のような技術を紹介します。
- ボット: 自分がほしいものに合わせていつでもアクセスできる
- クラウドソーシング: 急速なニッチ技術の需要拡大に対して、グローバルなチームを創りながら対応できる
- リモートラーニング: 職場にいなくても、時差があっても、バーチャルクラスルームでスマートに学習することが出来る
こうした技術の台頭を間近に見る中で、Anurag Seth氏は「これらは技術革新の中のほんの一部でしかない、すぐにこれらの技術は古くなり、また次の新しい技術が台頭するのだ」と語ります。テクノロジーの進化に迎合することに対して、警笛を鳴らしているのです。
学習方法の体得を優先する
このような技術革新が非常に早い現代において、いま学習者に最も必要とされていることは、「新しい知識を入れることよりも、新しい学習方法を知ることだ」とAnurag Seth氏は強調します。
たとえば、ボットという新しいテクノロジーが台頭すると、ボットに関する知識を学習する人が増えます。そもそもボットとは何か、どのようにつくられるのか、どのように活用すべきなのか。そして、ボットに関する知識を学んでいると、また次のテクノロジーが台頭してきて、また新しい知識を学習し始める。この繰り返しになってしまうのではなく、今後も次々と台頭する新しいテクノロジーにたいして、どのように学習するのか、という学習方法自体を高めておくことが必要だとAnurag Seth氏は言うのです。
Anurag Seth氏は社会人になる前の大学生に対しての支援をされているそうですが、そこでは生徒は皆「学校で学んだら終わり」だと思っているそうです。しかし、Anurag Seth氏は「この変化する時代において、学習し続けることこそが最も重要なことである」と語り、セッションを終えました。
まとめ
ボットやクラウドソーシング、リモートラーニングなど、次々と新しい技術革新が起こる中で、皆様の組織はこの変化に対してどのような学習スタンスを持っていますか。そして、これから更に時代の変化のスピードが上がった時、その技術革新に対してどのような反応を示すでしょうか。Anurag Seth氏の語る通り、今こそ私達は劇的な技術革新に対して変わり続ける力、学習し続ける力を身に着ける瞬間なのかもしれません。
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